アメン・ラー:カードゲーム
2018/03/01

【どんなゲームなの?】
むか~しむかしのエジプト、ピラミッドの時代のお話。エジプトで「古王国時代」「中王国時代」「新王国時代」という長い歴史の中で歴史に名を刻む……ということがおそらくこのゲームの物語。しかし、クニツィア先生作品。クニツィア先生はゲーム作りは素晴らしいけどテーマ設定、テーマ性がなぁという話はときおり聞こえてきますが、このゲームもテーマ性とシステムのマッチ具合はなんとも微妙に感じられます。テーマ設定こそ微妙に感じられてしまうのは事実ではありますがゲームは素晴らしい!感動なのです。
ルールを読んだとき、「ちょい難しめかな」と感じましたがやってみると意外にも簡単、すいすいゲーム世界に入り込めます。
このゲームは4つのステップで1つのラウンドです。
・競り
・捧げもの
・収入
・得点計算
ゲームらしく特に考える部分は前半の競りと捧げものの部分です。後半、収入と得点計算は事務的手続き。
すっごく省いて言うとピラミッド建築にての勝利点がデカく、要はピラミッド建築競争です。そのためにふさわしい州カードを得るための競りを行い、ボーナスで得られるお金などを調達等のために捧げものをするのです。
競りは人数分並んでいる州カードのために自分のお金カード1枚をビッドします。他プレイヤーはそれをいいと思うなら他の州カードにビッドし、他人のビッドが許せないならより高値を付けます。高値が付けられたら前のビッドが撤回され手元にお金カードが戻されます。
こんな感じでプレイヤー1人につき1枚の州カードの分配になります。
捧げものではアメン・ラー神に捧げものとしてお金を捧げます。たくさんのお布施があれば畑が潤います。また多額のお布施をすれば神からの恩寵としてピラミッドが得られます。ここでは他プレイヤーの出方を予想しつつ自分はどうしたいのかを考えます。
ラウンドは、古王国時代、中王国時代、新王国時代の3つのラウンドです。最初の時は14金を持ってスタートしますが無駄遣いをすると次ラウンドに持ち越すお金が削られるのでどの程度温存するかも考えどころです。
ピラミッドは3か所に建てられますが、もっともしょぼいところのピラミッド数が得点になるので平均的にピラミッド開発せねばならないでしょう。

古王国時代、中王国時代、新王国時代と歴史は移ろいますがピラミッドだけは悠久の歴史に残り続けるのです……!

箱裏をひっくり返してゲームに活用!このアイディアすげぇ!マネしたい!
【面白さのポイント】
このゲームはいろいろな表情のあるゲームに感じられました。
競りでの勝ちを目指す戦術的ゲーム、お金を使う状況を見定める戦略的ゲーム、相手の出方をうかがう心理的ゲーム、めくり運に期待する運のゲーム……。
このゲームのルールを読んだときいろいろ要素が多くて複雑かなと思ったのですが、全ての要素がゲームに必要で、十分で、遊んでみて感じたのは無駄な要素がないなと。
面白さを引き立てるために、必要に応じて盛り込まれた諸々の要素ががっちりと構築されていてゲームデザインの洗練さ、練り込まれたアイディアの一つ一つが実に見事。
ゲームで遊んで心が動かされる、面白さで感動させられる稀有なゲームと感じました。
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